大長の長雁木といえば、潮の干満に左右されることなく荷物の積み降ろしができるように、
人工で造られた入り江『北堀』と『南堀』の一部に石で築かれた階段状の護岸で、
大正・昭和とみかん栽培が最も盛んだった頃の大長を物語るモノのひとつだ。
しかしその雁木も、遠からず姿を消す。
写真は2年前に訪れた大崎下島・大長地区の北堀を撮影したもの。
高潮で度々冠水するこの地域の安全対策として、今後約10年をかけて護岸改修工事が行われる予定。
古い雁木を残す工法はコストが合わず断念せざるをえなかったようで、
せめてモニュメントにでもと、いまは雁木の一部の石をベンチとして再利用したそうだ。
今回のケースに限らず、地元住民の生活環境や遺構等の維持管理費といった様々な問題をクリアし、
歴史や文化を後世に残し繋ぐことは、容易ではないことを改めて感じた。
Nakagawa
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