大崎下島の柿は味良く樽柿と称され、明治の頃は少量が販売されていたそうだ。
樽柿とは酒樽に詰め、樽に残ったアルコール分で渋みを抜いた甘い柿をいうので、
それくらい美味しい柿という意味だったのだろうか。
軒下に吊るされた干し柿は秋の風物詩だが、今では見る機会も少なくなった。
みかんで有名な大長地区は明治の中頃までは桃の産地。
栽培されていたのは生食用のものでなく、奈良漬や薬用に用いる品種だったそうだが、
その花が見事で、当時は県内各港から船に乗って花見客が訪れていたというから、
海に浮かぶ桃山となった島の春の賑わいを想像させる。
桃の節句も終わり暦は春へ向っているが、寒の戻りで気温の低い日が続いている。
寒いと菜の花や桜の花が咲く春が待ち遠しくなる。
島を巡る中で佐木島、伯方島、阿多田島を春に訪れてきた。
今年はどこの島で春を切り取ろう。
NAWATA
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